東アジア地区の決勝トーナメント1回戦(1試合制)を行い、Jリーグ王者の鹿島は前半5分にFW興梠慎三(22)、後半5分にはMF青木剛(26)がゴールを挙げたものの、FCソウル(韓国)と2-2のまま延長戦でも決着がつかず、PK戦の末に4-5で敗れた。川崎は、昨季王者のG大阪に3-2で逆転勝ちし、名古屋は2-1で水原(韓国)に競り勝った。
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今季最大の目標は、ベスト16で早々と消えた。120分間の延長死闘を経て、PK戦の末に敗れた鹿島イレブンは重苦しい沈黙に包まれた。サドンデスのラスト7人目に登場し、PKを失敗した日本代表DF内田は「ゴロを蹴ろうと思ったが、GKが動いたのが見えたので浮かそうと思ったら…」と、ゴールバーを越えた痛恨のミスキックに放心状態だった。
Jリーグ再開となった20日の磐田戦で得点を決めた日本代表の興梠が前半5分、公式戦2試合連続得点で先制し、後半5分にはMF小笠原の右CKから青木が豪快ヘッドをたたき込み、いったんは勝ち越した。一発勝負で常に優位に立ちながら、後半19分に大黒柱の小笠原が2枚目のイエローカードで退場処分。流れはFCソウルに大きく傾いた。
1人少ない状況で、FKにより同点に追いつかれた。PK戦でもFCソウルに先行されながら、冷静にPK2本をストップしたGK曽ケ端は「PK戦どうのよりも、(FKを直接決められた)2点目をどうにかしたかった。キーパーサイドを抜かれた」と悔やんだ。
昨季はACLの敗戦をバネにリーグ2連覇を果たすなど、これまで国内のタイトルを総なめにしてきた名門クラブ。浦和、G大阪に先を越されたACL制覇は、またしても“内弁慶”ぶりを露呈し、夢は来季に持ち越された。試合の流れを変えた小笠原は「みんなはいいゲームをしたのに、自分が壊した」と、敗戦の責任を背負い込んだ。
<鹿島スタメン>
GK
曽ヶ端準
DF
内田篤人
岩政大樹
伊野波雅彦
パクチュホ
MF
青木剛
小笠原満男
本山雅志
野沢拓也
FW
興梠慎三
マルキーニョス