顔面そう白だった。気温10度、寒さも身に染みた。岡田武史監督(52)は逆転負けのホイッスルを聞くと、足早にロッカールームへ消えた。W杯4強への試金石となるオーストラリア戦で、惨敗した。悔しさをかみ殺し、試合後の会見に臨んだ。
「セットプレーの高さでやられた。競り合いに強くならないといけないし、セットプレーを与えないようにしないといけない。そのためにもマイボールの時間を多くしないといけない。ケーヒルを抑える、ケネディを抑えるという以前にやらなきゃいけない」
日本は、主将の中沢を始め、中村俊、遠藤、長谷部らを欠いていたが、それは相手も同じだ。ベストメンバーではなかった、は理由にならない。「オーストラリアも6人ほど欠いていたと思います」(岡田監督)。1・5軍対1・5軍、状況はイーブンだった。先制しても試合の主導権を握れない。時間が進むにつれ、相手のパワーに押され、こらえきれず失点を重ねる。宿敵・ケーヒルに2ゴール。06年6月12日、ジーコ・ジャパンがオーストラリアに屈したカイザースラウテルンの悲劇をVTRで見ているようだった。ドイツW杯以後、1勝1分け1敗だが90分間で勝ったことがない。越えられない壁として、ドイツで16強の相手は日本に立ちはだかっている。
W杯4強。日本は壮大な目標を持っている。だが10日のカタール戦に続き、この日もチャンスを作る回数は少なかった。岡崎は「相手はアジアでは強いけど、世界ではそれほどでもない。負けているようじゃダメ」と悔しがった。
岡田監督は、自身が目指すサッカーは、世界でも戦えると言い張った。「メンバーの組み合わせ次第で自分たちのリズムに持っていけると思っている」。メンバーがいれば何とかなるとも言いたげだった。しかし試合前は「この状況で、相手にあわせるんじゃなく、戦わなければならない力は出来た」と話していたのだから「言い訳」ととられても仕方ない。
「何も大きく変える必要はない。この1試合で悲観する必要はない」。攻守の切り替えを早くし、パススピードと精度を高める。指揮官が選手に要求していることだが、この日はセットプレーから2失点。今の戦い方で南アで勝てるのか? 内田は「相手がデカイから長いボール蹴られたらキツイ。でも、それがサッカー。オレがオーストラリアだったら、長いボール蹴れという」と話す。世界は強い。W杯まで1年、岡田ジャパンの道のりは険しい。
⇒昨日の試合は見れませんでしたが、敵地での戦いというところで頑張っていたようですが負けてしまったみたいですね。
この前の試合もそうですが中盤にボールをキープできる選手を持ってこないと厳しいですね。
<日本代表スタメン>
GK
1楢崎正剛(cap)
DF
4田中マルクス闘莉王
15長友佑都
6内田篤人
MF
8今野泰幸
7橋本英郎
14中村憲剛
10松井大輔
2阿部勇樹
FW
11玉田圭司
9岡崎慎司