日本最高のファンタジスタのスペイン移籍はもはや目前に近づいた。
関係者はこの日、本紙の取材に対し「すでに基本合意には達している」と明らかにし、16日付スペイン地元紙も俊輔のエスパニョール移籍の基本合意を報じた。
13日夜にエスパニョールの本拠地バルセロナ入りした、俊輔と契約するFIFA公認代理人のロベルト佃氏は連日、ラモン・プラネス強化部長、ヘルマン・デラクルス取締役と直接交渉を重ねている。エスパニョール関係者によると、会談は一日4度という前代未聞の頻度で進められており、移籍交渉はすでに完全合意寸前のスピード決着の様相を呈しているという。
一日4度の会談 先月、俊輔獲得の正式オファーを出したエスパニョールだが、プラネス強化部長を極秘裏に派遣していた。日本で俊輔側に2年契約と税抜き年俸2億円を提示済みで、バルセロナでの現地交渉でも、この具体的な提示条件や俊輔に対する評価の高さに揺るぎはなかった。
クラブ首脳の誠意を欠いた条件再提示の影響で、正式契約直前で破談の危機を招いた古巣横浜Mとは実に対照的。真しな姿勢で臨むロベルト佃氏も、スペインの古豪の一貫した交渉姿勢を高く評価している。6月でセルティックと契約満了となり、移籍金ゼロとなった俊輔は、今回の去就問題で自らの希望をかなえることが可能となる。
人生最大のチャンス。17日のアジア最終予選オーストラリア戦は疲労蓄積で参加免除となり、現在国内で静養中の俊輔。長年の夢だったレアル・マドリード、バルセロナなどが集う「現在・世界最強リーグ」のひのき舞台を踏む瞬間は、刻一刻と近づいている。
◆横浜M斎藤社長「進展ない」 ○…横浜Mの斎藤社長はこの日、都内のJFAハウスで行われたJリーグ理事会に出席。「俊輔移籍問題? 進展はありません」と話すにとどまり、理事会後の懇親会は欠席した。度重なる契約交渉を進めながらも、正式契約寸前に自らの不手際で交渉は事実上決裂寸前に陥っているだけに、言葉少なだった。